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はじめに
今年ついにPS5を買ってしまいまして、色々遊んでる私。
👆のポストの通り、正直特にやりたいゲームがあったわけではなく衝動買いってやつですね。
それでPS Storeで何かないかなーって探してて、出会ったのがRDR2でした、セールで2000円台で買えたのでラッキー。
GTA5はやったことがあったので、RockStarが作ってる西部劇系のゲームかなーとざっくり認知はしていましたが、実際にやり始めて見事にどハマり、これはヤバいなと。
単にカウボーイキャラでドンパチして気分爽快ってだけのゲームだろうと思って気楽にプレイしようと思ったら、ゲームなのに想像以上に深く実生活にも学びがあるではないかと序盤時点で気づいてしまう。
以下感想:
- グラフィックが化け物
- ストーリーめっちゃ深い
- BGM最高
- 俺もArthur Morgan (今作主人公)みたいな男になりたい
- GTA6よりRDR3作ってくれRock Star
ゲームとして100点、満足度200点でした。
というわけでプレイした感想は以上として、ここからタイトルの通りエンジニア組織論を学べたという話をしていこうと思います、エンジニア組織に限ったことではないとも言えますがこのブログ自体がエンジニア向けなので一旦エンジニア組織視点で語っていこうと思います。
ここから先はゲームのネタバレをかなり含みます、プレイ済み or ネタバレされても問題ないかたのみお進みください。
プレイしたことがない方、めちゃくちゃおすすめなのでぜひプレイしてみてください、後悔しません。
ギャング集団=組織の縮図
ストーリー内容、主要キャラクター
まずはざっくりRDR2のあらすじを理解してから進みましょう。
時は1899年、アメリカ西部。
文明化の波が押し寄せる中、時代遅れとなった無法者たちが生き残りをかけてもがく物語。
主人公はアーサー・モーガン。
彼は「ダッチ・ギャング」と呼ばれる無法者集団の一員で、強盗や逃走を繰り返しながら、リーダーのダッチと共に“自由”と“信念”を追い求める。
だが、理想を掲げるダッチのリーダーシップが次第に崩れはじめ、仲間たちの心にも綻びが生まれていく。
逃げ場を失った彼らは、外圧(文明・法)と内圧(信頼崩壊・利害の対立)の間で分裂の道を辿っていくことに…。
プレイヤーが操作するのは、アーサーという荒くれ者のギャング。
そのアーサーが属する、ダッチギャングの主要メンバーはこんな感じ:
- Dutch (ダッチ):カリスマ性と理想論でギャングを束ねるリーダー。だが、物語が進むにつれて判断がブレてくる。
- Hosea (ホゼア):Dutchとギャングの共同創設者。冷静沈着で知略型。現実主義。
- Arthur (アーサー):物語の主人公。リーダーではないけど、実質的にギャングの中核を担ってる。
- Sadie (セイディ):序盤では一般人だけど、夫の死をきっかけに覚醒。後半は頼れる仲間になる。
- Charles (チャールズ):寡黙で誠実。人道的な視点を持つ、数少ないバランサー。
- Micah (マイカ):後から加入するが、Dutchに取り入り急速に影響力を増す。クセ強め。
- John (ジョン):後に「Red Dead Redemption 1」の主人公となる。Arthurとは兄弟のような関係。
他にも魅力的なキャラもいましたが、今回はエンジニア組織に当てはめられる例になるキャラを抜粋。
エンジニア組織に当てはめてみると、多分こんな感じ
CTO(カリスマだけどブレやすいビジョナリー)
└── Dutch(ダッチ)
├── COO/戦略責任者(現実主義の参謀ポジション)
│ └── Hosea(ホゼア)
├── シニアエンジニア/テックリード(現場の中核・実行責任者)
│ └── Arthur(アーサー)
│ ├── Sadie(セイディ):QAエンジニア or DevOps(元は非エンジニアだが急成長して信頼される存在)
│ └── Charles(チャールズ):UXリード or バックエンドリード(冷静・誠実なバランサー)
├── PM(表面的には頼もしいが内実は混乱の元)
│ └── Micah(マイカ)
└── 若手エンジニア/次世代リーダー候補
└── John(ジョン)
初期のまとまり:理想主義とチームビルディング
基本的にはトップダウン式の組織形態、ダッチの”I have a plan“でネクストアクションが決まっていくフロー。
序盤はダッチの計画も練られており、実現性・ビジョンが明確だったからメンバーも信頼してついていくことができていた。
現代社会にあてはめると、おそらくイケイケITスタートアップ企業のリーダー的な人間と感じました、カリスマ性は確かにあり、それに惚れた人間が共に成長を求めてついていきます的な。
自分もプレイしながら、いいリーダーじゃないかと感じながら進めていました。
中盤のほころび:目的の曖昧さと内部対立
しかしゲーム中盤から、ダッチにおやおやと感じることが多発。
- 理想ばかりに走りすぎじゃね?
- 現場のメンバーの現実、ちゃんと見えてる?
- 本当に”I have a plan” ???
今まではホゼアのような参謀タイプの人間がダッチの計画、ビジョンをうまくハンドリングして現場メンバーとの温度感の乖離が起きないようにバランサーになっていたが、サンドニあたりから色々とおかしな方向に、、、
サンドニはまさに、”Civilized” (文明化) された街で、ダッチやアーサーのような身なり、存在自体がまさに浮きまくってるという現実に目を向けることに。
このあたりからダッチの焦りが加速したのか、”I have a plan“, “Just One more time“がただの現実逃避のための言葉に捉えられかねない言動にシフトされていき、ついに無茶な銀行強盗で組織のバランサーだったホゼアを失うことに。
そこから少し、とある島に漂流したりして紆余曲折あってなんだかんだキャンプには戻ってきましたが、引き続きこれ以降のダッチはただの焦りからの現実逃避。
無茶な計画にメンバーを巻き込む、仲間のピンチは見捨てる、崩壊の足音がどんどん大きくなっていくフェーズに。
終盤の崩壊:コミュニケーション不全と信頼の喪失
終盤は完全に理想だけに逃げる組織のリーダーに成り果て、マイカのような太鼓持ちの意見にしか耳を傾けずアーサー、セイディ、チャールズあたり有能現場メンバーの意見は完全無視。
キャンプの仲間も日に日に見切りをつけて脱退していくという結末に。
そしてついには、アーサーのとあるピンチの場面でも完全に見捨てたダッチ、ここは自分もプレイしていて完全にダッチへの信頼が途絶える 😇
ラストは名誉ゲージ、選択によって多少エンディングは変化しますが、まさに理想だけに逃げたリーダーの末路という感じで終了。(アーサーは最後までマジでかっこよく終われるのでそこが唯一の救い?)
終盤のチャプターは、ゲームをプレイしているという感覚が消えて、自分自身がアーサーになってダッチと向き合ってるとまで感じたレベルで深く面白いゲームでした。
ここからは、この一連の崩壊フローをエンジニア組織にあてはめて、
- 組織崩壊の典型例
- 崩壊した組織に対して取れるアクション
こちらを共有していきます。
RDR2から学んだ組織論
崩壊するリーダーのクソムーブ💩
あらためて、終盤のダッチが組織崩壊を引き起こす典型的なリーダーだなと感じました。
終盤のダッチのクソムーブ:
- 理想の押し付けが、現場の現実とかけ離れすぎて現場メンバーの信頼崩壊、不信感の助長
- 自分の周りにはマイカみたいなイエスマンしか置かない、現実を突きつけてくるやつは排除、最悪は裏切り者扱い
- 仲間をコマ扱い、自分の無茶な計画で命を落としたら必要な犠牲とか言って自分を正当化
みなさん、この時点でもしかしたら自分の記憶がフラッシュバックして呆れ笑いをしているのではないでしょうか、、、😇
そうです、まさにこれはエンジニア組織でも全く同じプロセスで組織が崩壊するんです。
エンジニア組織に当てはめてみる
実際にこのクソムーブをエンジニア組織にあてはめてみましょう。
理想の押し付けが、現場の現実とかけ離れすぎて現場メンバーの信頼崩壊、不信感の助長
├─ "ビジョンはあるから大丈夫!とりあえずついてきて"
│ ├─ 要件も曖昧、ヒアリングもなく、ロードマップはただの願望ベース (現場の都合は一切無視)
│ ├─ 現場のエンジニアは振り回されて無駄にメンタル消費、無駄な工数も増えてストレス増し増し
│ └─ メンタル削りまくってなんとかリリース、リーダーの一言、"うーん、何か違うんだよね"
└─ 【末路】
├─ 有能エンジニアから順に静かに消えていく
└─ 残ったメンバーは、毎日「退職」「転職」で検索してから業務開始
自分の周りにはマイカみたいなイエスマンしか置かない、現実を突きつけてくるやつは排除、最悪は裏切り者扱い
├─ "やれそうっすね、やりましょう!(ただの媚び)", "リーダーは間違ってないから大丈夫っすよ、おかしいのは愚痴ばっかの現場のやつらですよマジで"
│ ├─ ロードマップ、ガンドチャートに意見をしてきたエンジニアは無視、"お前らはとりあえず手を動かしておけばいいから"
│ ├─ 評価面談で正直今の組織では仕事しづらいと言うメンバー = 俺のカリスマ性についてこれない無能、嫌ならやめれば?というレッテル貼り
└─ 【末路】
├─ 耳触りのいい言葉しか届かない空間の出来上がり
├─ 気がついたら、残ってるのは手も動かさず責任も取らないマイカタイプの人間だけ
仲間をコマ扱い、自分の無茶な計画で命を落としたら必要な犠牲とか言って自分を正当化
├─ "とりあえずやっておいて", "これくらいサクッとできるっしょ?(笑)"
│ ├─ 仕様、デザインに不備が見つかっても知らんぷり、"よくわからんけどまあそっちでいい感じにしておいて"で逃げる
│ ├─ リリース後に不具合発生 → "しっかりしてよ~、ユーザが第一ってこともっと意識してくれないと困るんだよね"
└─ 【末路】
├─ 誰もリスクを報告しなくなって、問題は最後の最後まで発覚しない
├─ ある日、地雷みたいなバグでプロダクトが炎上
├─ "俺は止めた方がいいって思ってたんだけどなー"と他人事で終了
こんな感じでしょうか、自分も書きながら頭が痛くなってきた、、、
プレイしながら何か既視感あるなーと思っていた正体はまさにこれだと気づいた時は笑いと絶望が入り混じるカオスな状態になってたかもしれない,,,
みなさんもエンジニア組織に限らず、今まで働いてきた中で似たような経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか 😇
正直、現実世界でもダッチやマイカのような人間は色んなところに確実に存在してるので完全にこのような崩壊を防ぐというのは難しいと自分は感じています。
そんな現実に対して自分が取れるアクションは何があるかを考えてみましょう。
崩壊した(or 寸前の)組織に対して取れるアクション
私なりに考えたアクションがこちらです。
「ムカつく」「納得いかない」って感情は一旦脇に置く
今起きている問題の本質はどこにあるのか?
それはどのレイヤ (経営 / マネジメント / 現場)や、誰のアクションが引き金になっているのか
いきなり直接の原因者ではなく、周囲のメンバーに状況を話してみる(可能な限り同じ課のメンバーが望ましい)
「それ、自分も感じてた」の声が多ければ、個人の感情ではなくて構造的な問題と断定できる
これで状況整理は一旦OK
ただの愚痴ベースにせずに、”自分がこの問題に対してできることも含めて改善していきたい”という姿勢で伝える
他責思考と思われないように、自分視点での課題と向き合うという姿勢も見せる
それを踏まえて、上長や問題の本質メンバーが変えていく意思を持ってくれたならVery Good
実際にチームの歯車が噛み合ってきたら、自分も改めて何ができるかを考えて行動してみる。
改善過程や、今回の問題の発生フローをNotionやBacklogにまとめてチームに共有する (自分の評価も上がる可能性が高い、一石二鳥)
Step2, Step3あたりのアクションを通じても何も変わらないなら残念ながらBAD END (組織にとって)
このフェーズに入ってしまったら、感情は挟まずに静かに撤退準備、立つ鳥跡を濁さずの気持ちで最低限の引き継ぎを行ってサヨナラ。
いかがでしょうか、全ての人にあてはまるということはなさそうですが自分的にはこのフローが経験上も一番ストレスなく綺麗に何かしらの結論に辿り着けると思っています。
みなさんも同じような状況に遭遇したときに、このフローを実践してみてください、お役に立てればとても嬉しいです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ただの暇つぶし程度で遊んでみるかと思って始めたゲームで、まさかここまで組織論だったり仕事に活用できる学びを得られるとは思っていなかったです。
この経験で改めて感じたこと :
努力しないといけない、勉強しないといけないと意気込んでやることだけが成長のきっかけになるわけじゃない
ということですかね。
ゲーム、映画、漫画、何でもいいですが、日々のふと気を抜いた時間の中にヒントは転がっているということを再認識した今日この頃。
こうしてコラムとして自分の日々の気づきを言語化すると、
思考の整理ができる & 文章構成力が少しずつ上がっているのを感じられるので今後も引き続きゆるくのんびり発信を続けていこうと思います。
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